- 2026.01.13
ベトナム人エンジニアが退職する主な理由と定着させるための工夫
- 人事・組織

「せっかく採用したのに、すぐ辞めてしまった…」 これはベトナムでエンジニアを採用する日本企業がよく直面する課題です。
近年、ベトナムのIT人材は質が高く、人口ともに急成長を遂げており、多くの日系企業がオフショア開発やブリッジSE採用を進めています。
しかし、採用後の定着率に悩む企業も少なくありません。
今回は、ベトナム人エンジニアが離職する理由と、定着率を上げるための実践的な工夫を詳しくご紹介します。
なぜ、ベトナム人エンジニアはやめてしまうのか?

ベトナムのIT業界は非常に流動性が高く、優秀なエンジニアほど複数のオファーを抱えているのが現状です。
LinkedInやFacebookを通じて日常的にリクルーターからメッセージが届き、転職市場は常に活発な状態にあります。
このような環境下で、エンジニアたちが退職を決断する背景にはいくつかの共通した理由が存在します。
それでは、主要な4つの理由とそれぞれに対する具体的な対策を見ていきましょう。
ベトナム人エンジニアが退職する4つの主な理由と対策

主な退職理由① 給与・条件への不満
最も多いのは、他社の方が高待遇だったという理由です。
ベトナムのIT業界では転職が活発で、数か月でオファーが来ることも珍しくありません。
特にハノイやホーチミンといった都市部では、エンジニアの給与水準が年々上昇しており、市場価値に敏感な人材が増えています。年収で数百ドル、場合によっては月給で数十ドルの差でも、転職を選ぶケースが実際にあります。 ベトナムでは旧正月(テト)前後が転職のピークシーズンとされており、この時期にボーナスを受け取った後、新しい職場へ移るパターンが非常に多く見られます。また、福利厚生として重視されるのは、健康保険の充実度、通勤手当、食事補助、そしてフレキシブルな勤務制度などです。
対策の工夫1:市場相場と自社水準を定期的に見直す
半年に一度は業界の給与水準を調査し、自社のポジションが市場と比較してどの位置にあるかを確認しましょう。特にシニアエンジニアやリードエンジニアのポジションは競争が激しいため注意が必要です。
対策の工夫2:テトボーナスやパフォーマンス賞与でメリハリをつける
ベトナムでは、テト(旧正月)のボーナスは「第13か月給」として標準的に支給されます。これに加えてプロジェクトの成功やKPI達成に応じた賞与を設けることで、頑張った意図が報われる仕組みを作ることが重要です。
対策の工夫3:昇給のルールを明確にする
いつ、どのような条件で昇給があるのかを入社時から明示しておくことで、将来への期待感を持ってもらえます。評価基準が曖昧だと不信感につながるため、透明性のある制度設計が求められます。
主な退職理由2 キャリアの成長が見えない

スキルアップや昇進の機会が少ない、成長を実感できない職場ではモチベーションが下がります。
特に20代後半から30代前の若手エンジニアは「今の仕事が将来につながるか」「新しい技術に触れられるか」「マネジメント経験が積めるか」を非常に重視しています。単調な保守業務やレガシーシステムの修正ばかりでは、将来性に不安を感じて離職を考えるようになります。
また、ベトナム人エンジニアの多くは向上心が高く、自己投資にも積極的です。英語の勉強や新しいプログラミング言語の習得、資格至徳など、自らスキルを磨く文化が根付いています。
そのため、会社側もそれに応える形で学習機会を提供することが期待されています。
対策の工夫1:明確なキャリアパスを提示
「3年後にはシニアエンジニア、5年後にはテックリード」といった具体的なキャリアステップを示すことで、長期的に働くイメージを持ってもらいやすくなります。ポジションごとに求められるスキルセットを明文化すると、さらに効果的です。
対策の工夫2:社内勉強会・外部研修の機会を設ける
週に一回の技術交流会や、月に1回外部講師を招いたワークショップなど学びの場を定期的に提供しましょう。AWSやGCPの資格取得支援、海外カンファレンスへの派遣なども、モチベーション向上に大きく寄与します。
対策の工夫3:新しい技術やプロジェクトへのチャレンジ機械を作る
既存システムの保守だけでなく、新規開発やPoC(概念実証)プロジェクトに挑戦できる環境を整えることも重要です。また、希望者には海外への出張や短期研修の機会を提供することで、グローバルな視野を育てることができます。
主な退職理由3 評価やコミュニケーション不足

頑張っても認められていない、上司と話しにくいと感じると、離職にもつながります。
日本企業によくあるのが、「空気を読む文化」や「言わなくてもわかるはず」といった前提でのコミュニケーションです。しかし、ベトナムを含む多くの国では、明確なフィードバックと言語化された評価が重視されます。評価や感謝が伝わらないことが、信頼関係の崩れに直結します。
また、リモートワークが増えた現在では、対面でのコミュニケーションが減り、ますます孤立感を感じやすくなっています。チャットやメールだけでは細かなニュアンスや感情が伝わりにくく、誤解が生まれることもあります。
対策の工夫1:定期的な1on1で状況を把握し、小さな成果も評価
月に1回、最低でも30分の1on1ミーティングを設け、業務の進捗だけでなく、キャリアの悩みや希望もヒアリングしましょう。小さな改善や工夫も「よくやってくれたね」と言葉にして伝えることが、信頼構築の第一歩です。
対策の工夫2:チャットで気軽に相談できる雰囲気づくり
業務連絡だけでなく、雑談や趣味の話題を共有できる場を作ることで、心理的安全性が高まります。
上司が率先して相談しやすい空気を作ることが大切です。
対策の工夫3:評価基準を明確にし、結果をフィードバックする
「なぜこの評価になったのか」を具体的に説明し、次にどうすれば評価が上がるのかを示すことで、納得感と改善意欲が生まれます。曖昧な評価は不満の温床となるため、透明性が重要です。
主な退職理由4 チームの雰囲気が合わない

職場の雰囲気や人間関係も、想像以上に重要な要素です。
エンジニア同士の連携がなく孤立していたり、指示が一方通行になっていると早期離職の原因になります。
特にベトナム人エンジニアはチームワークや協調性を上司する傾向があり、孤独な環境では力を発揮しにくいと感じる人が多いです。
また、日本人マネージャーとベトナム人エンジニアに文化的なギャップがあると、意思疎通がうまくいかず、ストレスが溜まることもあります。言語の壁だけでなく、働き方や価値観の違いも影響します。
対策の工夫1:オンボーディング期間にチームとの交流を促進
入社初日から歓迎ムードを作り、メンター制度やバディ制度を導入することで、早期に馴染みやすくなります。最初の1ヶ月で職場への帰属意識が決まると言われており、この期間のケアが非常に重要です。
対策の工夫2:雑談ミーティングや食事会など、非公式の接点も大切
月に1回のチームランチや、オンラインでのコーヒーブレイクタイムなど、業務外での交流機会を設けましょう。趣味や家族の話など、人間的なつながりが信頼関係を深めます。
対策の工夫3:文化的な違いを理解し、尊重する姿勢を持つ
ベトナムの祝日や文化的な習慣(テトやお盆など)を理解し、配慮することも大切です。また、マネージャー自身がベトナム語の簡単な挨拶を覚えるだけでも、親近感が生まれます。
(参照:【採用で活用可能!!】ベトナムのエンジニアとのコミュニケーションで使える簡単なベトナム語)
まとめ

給与や環境も大事ですが「成長実感」「人間関係」「評価の透明性」がベトナム人エンジニアの定着には欠かせまん。
一人ひとりの期待に耳を傾け、キャリアと感情の両面を支えるマネジメントが、長く働いてもらうカギとなります。採用後の3ヶ月、6ヶ月、1年といった節目でのフォローアップを怠らず、継続的に関係を築いていくことが重要です。
また、退職者が出た際には必ず退職理由をヒアリングし、組織として学ぶ姿勢を持つことも忘れてはなりません。離職は単なる損失ではなく、改善のための貴重なフィードバックでもあります。
ベトナム人エンジニアは、適切な環境とサポートがあれば、非常に高いパフォーマンスを発揮し、長期的なパートナーとして成長してくれます。
ぜひ、この記事を参考に、定着率向上に向けた取り組みを始めてみてください。
