- 2025.12.08
ベトナムと日本の祝日・勤務文化の違いと注意点
- 人事・組織

ベトナム人ITエンジニアの採用を検討されている企業様の中には、「祝日や勤務文化の違いが心配」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。確かに、文化的な違いを理解せずに採用を進めると、双方にとってよくない結果を招きかねません。
今回は、ベトナム人ITエンジニアを受け入れる際に知っておきたい祝日制度や勤務文化の違いを詳しく解説し、スムーズな受け入れと定着のためのポイントをご紹介します。
ベトナムの祝日制度:押さえておきたいの基礎情報

祝日の数は日本の半分以下
ベトナムの法定祝日は年間10〜12日程度と、日本の16日と比べて少なめです。「祝日が少ないなら日本企業にとって好都合では?」と思われるかもしれませんが、実はそう単純ではありません。ベトナムには日本とは全く異なる休暇文化があり、それを理解することが定着率向上の鍵となります。
引用元:JETRO ベトナム祝祭日2025年度版
https://www.jetro.go.jp/world/asia/vn/holiday.html
テト(旧正月):絶対に理解すべき最も重要な祝日

テト(Tết、正式名称:Tết Nguyên Đán)は、旧暦の正月を祝うベトナムで最も重要な祝日です。時期は旧暦に基づくため毎年変動しますが、通常1月末から2月初めに当たり、約7〜10日前後の連休となります。
ベトナム人エンジニアを採用する上で、企業が最も理解を必要とするのがこの「テト」です。日本における正月、お盆、ゴールデンウィークを全て合わせたような重要性を持ち、ベトナム人の生活において何よりも優先される時期といっても過言ではありません。
テトの特徴と企業への影響

- 時期: 旧暦に基づくため毎年変動(1月下旬〜2月中旬が多い)
- 期間: 法定休日は7日程度だが、有給を組み合わせて10日〜2週間の連休にすることが一般的
- 意味: 家族との再会が最優先。この時期の仕事依頼は極力避けるべき
- 帰省: 都市部で働く多くの人が地方の実家に帰省するため、国全体が事実上ストップ
採用企業様への注意点

1.テト前後の予定は早めに確定する
帰省や長期旅行があるため、1ヶ月前から調整を始めるのが理想とされています。
2.年間休日の数を日本と同等に揃える必要はない
ベトナムの法定休日を考慮し、バランスを取りましょう。
3.文化的背景を尊重する
祝日でも仕事を依頼する場合は、事前に合意し感謝の言葉を添えと良いでしょう。
4.テト明けの対策もぬかりなく
テト明けは転職のピークシーズン(日本の4月に相当)のため、定着施策が重要になります。
5. 日本人社員にもテトの重要性を説明し、理解を得る
ベトナム人エンジニアの定着において、実は最も重要なのが日本人社員の理解と協力です。どれだけ制度を整えても、現場レベルでの理解がなければ、離職につながる恐れもあります。
その他の主な祝日

- 元旦(1月1日)
- 南部解放記念日(4月30日)+ メーデー(5月1日)
- 建国記念日(9月2日)
- フン王の命日(旧暦3月10日、3月下旬〜4月上旬)
定時退社が基本:残業文化の大きな違い

「残業=頑張っている」は通用しない
日本では「残業=頑張っている」と捉えられることもありますが、ベトナムでは定時退社が基本です。終業後にすぐ帰宅するのは当然とされており、「残業しない=やる気がない」という考えは当てはまりません。
効率的に仕事をこなす文化が根づいているため、成果ベースで評価する姿勢が求められます。
ベトナムの勤務文化の特徴
- 定時退社が当然の権利: 終業時刻になったら帰宅するのが普通
- 効率性重視: 残業せずに成果を出すことが評価される
- ワークライフバランス: 家族との時間や自己啓発を大切にする価値観
- 成果主義: 労働時間ではなく、何を達成したかで評価される
その他の重要な文化的違い

祝日や残業以外にも、日本とベトナムには様々な文化的違いがあります。
特に上司との関係性、信頼関係の築き方、仕事観の3つは、日常的なマネジメントに直結する重要なポイントです。これらを理解することで、より円滑なコミュニケーションとチーム運営が可能になります。
上司との関係性
ベトナムでは年長者や上司への敬意は強いものの、日本とは異なる特徴があります。
理不尽な命令には従わず、「なぜこれをするのか」の理由を求める傾向が強いです。権威に盲従するのではなく、合理性を重視します。 また、面子への配慮も気を付けましょう。例えミスや指摘することがあっても、人前で一方的な叱責などは避け、1対1で良い点などを織り交ぜながら一緒に改善する姿勢を示すことが重要です。
信頼関係の築き方
ベトナム人エンジニアとの信頼関係で最も重要なのが約束を守ることです。特に給与・昇給、評価、休暇・労働条件に関する約束は絶対です。仮に守れなかった場合、不信感が生まれモチベーションの低下と離職につながる可能性があります。信頼関係は日々の積み重ねで構築されます。対面でのミーティングで進捗や不安なことキャリアの希望などを共有し、信頼関係を積み重ねていきましょう。
仕事観
ベトナム人エンジニアは「何を達成したか」を最も重視し、効率的に成果を出すことが理想と考えます。時間をかければ良いという発想はなく、残業せずに結果を出すことが評価されるべきだと考えています。また、自己成長への意欲が高く、新しい技術習得やスキルアップの機会を常に求めています。
企業側は明確な目標を設定し、達成度を客観的に評価する仕組みが必要です。労働時間ではなく成果で評価し、効率的な働き方を推奨・賞賛する文化を作ることが重要です。加えて、定期的な技術研修や新しいプロジェクトへのチャレンジ機会、資格取得支援など、継続的な成長機会を提供することが定着の鍵となります。
まとめ

ベトナムと日本の祝日・勤務文化の違いを理解することは、ベトナム人エンジニアの採用成功と長期定着の基盤となります。
押さえるべき3つのポイント
1. テトを最優先の祝日として尊重
年間で最も重要な休暇として計画的に対応し、日本人社員にも理解を促進することが定着の鍵です。テト明けは転職シーズンのため、事前の評価面談や昇給検討も効果的です。
2. 定時退社と成果主義の働き方を受け入れる
残業せずに効率的に成果を出すことを評価し、労働時間ではなく達成度で判断する文化を作りましょう。ワークライフバランスを重視する価値観を尊重することが重要です。
3. 文化を理解した信頼関係の構築
待遇面の約束は必ず守る、面子に配慮した指導を行う、成長機会を継続的に提供するなど、ベトナムの文化的背景を理解した対応が信頼関係を築きます。
「日本基準」で一方的に判断するのではなく、ベトナムの文化を理解し尊重する姿勢が、円滑なチーム運営の第一歩です。文化的な違いを「多様性」として活かすことで、組織全体の生産性向上とグローバルな競争力を持つチームづくりが実現します。
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